2014年9月19日金曜日

日常業務の中で出版を目指す

今月は、出版を目指す方法として、日常業務の中で準備を進める方法を紹介します。

出版を目指そうとすると、つい出版のために準備を進め、出版するために原稿を書くということになります。
これは、一見、当たり前のように見えますが、実は非常に非効率なのです。

現在、仕事をしてる方のほとんどがインターネットを使っていると思います。
そして、そのインターネットを使って、リストを集め、メルマガを発行し、セールスするようなことやっているのではないでしょうか。

実は、今回、紹介する方法は、そういう人に最適な方法なのです。

出版を考える時、出版をするために企画を考えては、実はいい企画は生まれません。
それよりも、お客様と対峙し、悩みを聞いて、それに答えることを繰り返すと、だんだんお客様の悩みの全体像やボトルネックなどが見えてきます。
そこで、何を教えたらそれらは解消するのかを考え、それを企画にまとめるのです。
つまり、企画を机の上で考えるのではなく、日常のお客様とのやり取りの中から考えると言うことになります。

そして、考えた企画は、どういう話しで構成するかを箇条書きで書き出します。
あの話しも、この話しも…と、順不同で思いつくままに書き出してみてください。
そしたら、その項目ごとに文章にしてみて考えをまとめていきます。
せっかく書いた文章ですから、日常的に発信してるブログやメルマガに掲載してみましょう。
ブログならアクセス解析、メルマガならお客様からの感想メールなどで、読み手の反応を見てみてください。
これを繰り返すと、だんだん反応のよい切り口というのが見えてきます。

自分のお客様が喜びそうなコンテンツが見えてきたら、今まで掲載した内容でセミナーを開催してみましょう。
細切れの文章を順序立てて、理解されやすい流れを考えるのです。
そして、それを実際に話してみると、流れに違和感があったり、理解されづらい部分などが見えてきます。
今度はそこを修正して、内容を精査していきます。

ここまでの段階で、セミあーは開催しておりますので、セミナーの告知はしているはずです。
セミナータイトル、セミナーの概要、セミナーの内容、セミナーのターゲット、講師プロフィール…、今度はそれを書籍タイトル、企画概要、目次案、読者ターゲット、著者プロフィールに置き換えたら、出版企画書の完成です。
そして、過去の参加者さんや興味があったけど参加できなかった方々がいるはずなので、その方々が一番の見込み客になりますので、ある程度の売上部数も見えることになります。

そしたら、企画書を出版社に売り込むだけです。

企画が通ったら、精査されたコンテンツはありますので、それを書籍の様式に落とし込むだけということになります。
つまり、リストマーケティングをやられているのであれば、企画になりそうなテーマが見つかったら、ブログやメルマガでネタ出しをして、セミナーでコンテンツとして精査し、出版するというスパイラルを繰り返すと言うことです。

出版するためにゼロから取り組むよりも、こういう日常業務の中で出版の準備を進めた方が、圧倒的に本の内容の完成度も高くなりますし、時間的もかからないので効率的ですよ。

2014年8月19日火曜日

“何で?”と“何を?”

今月は、文章を書く上で、とっても重要な考え方を書きたいと思います。

それは、“何で?”と“何を?”です。
この2つは、編集者が文書をチェックするときに、常に意識しています。

書かれた文章に対し、“何で?”“何で?”と投げかけながら推敲することで、説得力のある引っかかりのない文章にすることができます。
人は文章を読みながら理解します。
つまり、理解しやすい順序で論理展開していかなければ、読みづらい文章になってしまうんですね。
だからこそ、“何で?”“何で?”と投げかけながら推敲することが重要になってくるんです。

そして、もうひとつが、“何を?”です。
この“何を?”は、常に読者が誰で、その読者は“何を?”求めてるのかを念頭に置いて文章を書くということです。
そこをしっかりやっておくことで、軸がブレない文章を書くことができるようになります。

私がはじめて出版が決まった著者さんに『はじめに』と『おわりに』を先に書かせるのは、それが理由です。
『はじめに』は読む前に伝えるメッセージ。簡単に言えば、スタート地点です。
逆に『おわりに』は読後に伝えるメッセージですから、到達地点となります。
『はじめに』と『おわりに』を先に書くということは、スタートとゴールを先に明確化して、原稿でその間を埋める作業になるということなので、ブレない文章を書くことができるようになるということなんです。

是非、ブログの記事などでも、“何で?”と“何を?”を意識しながら書いてみてください。
格段に文章力が上がるはずですから。

2014年6月19日木曜日

出版とWEBマーケティング

出版とWEBマーケティングは、実は切っても切れない関係にあります。

出版する場合、必要なのは出版企画書。
この出版企画書を作成するために考えるプロセスは、次の通りです。

目的を決める

読者ターゲットを決める

ニーズを調べる

内容を考える

販促を考える

実は、このプロセスは、WEBでも同じですよね。
出版も、WEBも、コンテンツ作成という意味では、同じですから。

さらに言えば、今は本を著者が売る時代です。
著者が本を売る場合、どうしてもWEBを連動せざるを得ません。

そういう意味では、著者を目指す人にとって、今後、ソーシャルメディアマーケティングやリストマーケティングなどのWEBマーケティングは必須のスキルと言ってもいいでしょう。

そして、電子出版が普及した場合、この傾向はさらない強くなります。
電子出版は、ネット書店で売られる以上、ほとんどの場合が検索エンジンを経由することになります。
そうなると、検索結果の上位の書店しか売れなくなる現実は容易に想像できます。

さらに言えば、そのネット書店で自分の本を見つけてもらうためにも、やはり検索ということになります。
検索ということは、やはり、キーワードから期待されているコンテンツをイメージして、本を作らなければ、なかなか売ることは難しいということです。

今後、出版業界では、コンテンツ作成力とWEBマーケティングは両輪となります。
そういう意味では、この両輪をお持ちの方が出版する上でも有利になると言えるでしょう。

2014年5月24日土曜日

話題の電子書籍について

ここ数年、“電子書籍元年”と言われているのにも関わらす、なかなか普及しない電子書籍について書きます。

この電子書籍ですが、皆さんはどのようにお考えですか?

著者として考えた場合、電子書籍の登場は、誰でも身近に出版できる環境が整ったと言えるのかもしれません。
お金はかかりますが、出版社の決済は必要ありませんからね。

ただ、逆に言えば、商業出版の最大の価値である、出版社が「この内容は世に出すべきだ」というお墨付きが無いということでもあります。
そして、お金を出せば、誰でも出版できてしまう以上、自費出版と同じレベルと言えるでしょう。
その上、現物もあるわけではありませんから、重みも一切ありません。

あれで、出版したといえるのでしょうか?
そして、ブランディングになるのでしょうか?

現状では、電子出版をやっている出版社というのは、紙の本を出していないところがほとんどです。
出版社というより、システム会社のようなところが多いですからね。
つまり、プロの編集者も介在していないコンテンツということになります。
実際、内容も酷いものが多いですからね。
あれなら、情報商材の方が、それなりの値付けをできるだけマシなのかもしれません。

弊社にも電子書籍の編集の依頼をいただいたことがありますが、編集費が紙の商業出版に比べ、五分の一以下だったこともありお断りさせていただきましたからね。
プロの編集者は、電子出版の仕事に手を出すことはないでしょう。
あるとしたら、仕事に困っている力のない編集者ぐらいだと思います。

では、電子出版に価値は無いのか?

それは違います。
あくまでも、紙の商業出版と比較するから価値が無いのであって、電子出版ならでは使い方を考えたらいいのです。

市場が小さく、商業出版では難しいと言われたコンテンツなら、多少高額でも問題ありませんから、しっかりと編集費を捻出し、電子出版で出してみるとか…。
自社のテキストやマニュアルなどを小ロッドで印刷して販売するなら、電子出版でも販売してみるとか…。
内容に絶対の自信があるのなら、出版社に口出しさせずに、電子出版で出してみるとか…。

電子出版には、電子出版ならでは使い方があるんだと思います。
それを考えて取り組む分には、電子出版という新たなメディアが生まれたことは、十二分に価値があると思いますよ。

ということで、くれぐれも紙の商業出版の代わりとして、電子出版の誘いを受けたら、必ず、キッパリとお断りしましょう。

2014年4月3日木曜日

書籍とブログの違い

弊社で開催している出版実現セミナーでは、出版を目指すのであれば、原稿のネタ帳としてブログを書くようにお話ししています。
しかし、多くの方が、出版するコンテンツを無料で見られてしまうブログにアップすることを躊躇しているようです。

そこで今回は、『書籍とブログの違い』について書きたいと思います。

では、改めて、書籍とブログの違いって、何だと思いますか?

書籍は有料、ブログは無料
書籍は紙媒体(アナログ)、ブログはネット媒体(デジタル)
書籍は出版社のお墨付き、ブログは自己満足

など、いろいろあると思います。
ただ、だからといって、書籍のネタをブログに書くことを躊躇することはありません。

これらのことをひとつずつ説明していこうと思います。

『書籍は有料で、ブログは無料』。

確かに書籍は有料で、ブログは無料です。
では、同じ人が同じ事を書いているとしたら、有料と無料でそこに書かれた内容の価値は変わりますか?
変わりませんよね。
では、何が違うのかというと、読む側のモチベーションです。
有料ということは、そのコンテンツを読むためにお金を支払うほど読みたいということですから、最初から最後までしっかり読んでいただけます。
逆に無料ということは、いつでも読めるコンテンツということになるので、つまらないと感じた瞬間に他のページに移動してしまいます。
つまり、ブログの記事を最後までしっかり読んでもらうために、最初に結論を書きましょうというのは、ここに起因しています。

次に『書籍は紙媒体(アナログ)、ブログはネット媒体(デジタル)』。

紙媒体は必ず片方を綴じられていますので、前からしか読めません。
しかし、ブログの場合、検索エンジンから誘導される記事は、全ブログ記事のどこに誘導されるか決まっている訳でありませんので、誘導された記事だけを読みます。
なかには前後の記事を読む場合もありますが、起点は人によって違うはずです。

最後に、『書籍は出版社のお墨付き、ブログは自己満足』。

書籍は、必ず、出版される間に編集者のチェックを受けて、修正されて本になります。
編集者によって本に出す価値を認められ、手を加えられて、はじめて商品価値の高い書籍になるのです。
だからこそ、商業出版の書籍には価値があるんです。
逆にブログは、自分が書きたいことを、書きたいように書いて公開することができます。
何でも公開できる以上、情報の信頼性や商品価値に疑問を持たれても仕方ないですね。

ということは、書籍とブログというのは、著者が公開するメディアという意味では、近しい部分はありますが、まったく違うメディアなのです。

言ってしまえば、書籍はしっかり読む気の読者が手にする体型だった商品価値の高いコンテンツ。
そしてブログは、読む工夫をしっかりしないと読まれることのない、自由に書かれたコラム集の集合体。

つまり、書籍の価値というのは、前から読んでしっかり理解する体型だったコンテンツということであり、これが書籍の価値なのです。

なので、いくら自分のノウハウをネタ帳替わりにブログにアップしたそしても、それはあくまでもこら体系立っていないコラム集の集合体にすぎないため、そのコンテンツの価値を全く損なうことはないのです。
実際、ブログにノウハウを全てアップしていたとしても、しっかり全ての記事を読んで頭の中で体系立てて理解している人というのは皆無ですし、書籍を買って文句を言われることはありません。

書籍とブログにはそれぞれの特徴理解して、その特徴に見合った使い方をしていきましょう。
決して、ネタ帳として使うことに躊躇する必要なんて、ありませんよ。

2014年2月22日土曜日

マスコミを意識したブログ運営

今回は、『マスコミを意識したメディア運営』について書きたいと思います。

マスコミというのは、出版や雑誌雑誌などの紙媒体だけでなく、ラジオやテレビといった電波媒体も含めだものです。

ただ、その話しをする前にブログ運営について確認したいと思います。
ブログを運営する上で重要なのは専門家であるかどうかです。

あなたのブログは、何の専門家が、何について書いているか分かりますか?

まず、“何の専門家”であるかどうか。
これは、マスコミの関係者に見つけてもらうことから意識する必要があります。
そのために重要なのは、“肩書き”です。
マスコミの関係者は、何かの専門家を探す場合、必ず、検索エンジンでそれらしい“肩書き”を入力します。

つまり、マスコミ関係者が検索するであろう“肩書き”でブログを運営する必要があるということです。

そのためには、テレビや雑誌で同業者を見つけたとき、その人の肩書きをチェックするようにしてください。
その肩書きが、検索される肩書きになります。

もし、テレビや雑誌で同業者を見つけられない場合、“○○研究家”“○○評論家”“○○ジャーナリスト”を名乗ることをオススメします。

テレビや雑誌の関係者は、“家”がつく肩書きに信頼を置くということと、すでにメディアに出ている“肩書き”を重視するようです。
これは、いろいろなリスクを回避したいテレビや雑誌の関係者らしい発想ですね。

ブランディング的な考え方だと、人との差別化を意識して、他の人とは違う肩書きにするよう指導されている方もいらっしゃいますが、今回はあくまでもテレビや雑誌の関係者に見つけてもらうのが目的ですからね。
一般の人に渡す名刺の肩書きとは間が方は異なりますよ。

肩書きが決まったら、あとは、その肩書きにふさわしい、話しを聞きたくなるようなプロフィールを用意しましょう。

ブログには、専門家としてしっかりとしたノウハウ記事を大目に入れておいてください。
専門家を検索して、ブログを確認したら、セミナーやら、セールス記事ばかりだと、話しを聞きたいとは思わないですからね。

最後に、ノウハウ記事の書き方のポイントです。
ノウハウ記事を書く場合、必ず、最後の結論、もしくは、自分の意見は自信を持って言い切ってください。

専門家でブランディングしている人が、自分の専門分野について書いているのにも関わらず、最後を「〜だと思います」で終わってしまったら、「この人は、自信がないのかなぁ〜?」と思われてしまいますからね。

こんなことを意識してブログを運営すると、テレビや雑誌の関係者に見つけてもらい、「話しを聞きたいなぁ〜」と思ってもらえるはずです。
しっかりSEO対策などを施せば、間違いなく、取材などの依頼は増えますよ。


2014年1月22日水曜日

売れた、売れないの基準について

本が出版された後、売れた、売れないの他に引き分けというのがあります。

これは、売れても、売れてないわけでもないが、損益分岐点は超えたというものです。
この場合は、ほぼノーカウントとなります。 

では、話しを戻しまして、売れた、売れないの基準についてです。 

まず、“売れた”場合の基準は、2回の増刷(三刷)ということになります。
出版したときに最初の印刷を初版(初刷)と言います。
その初版分が売れたら、刷り増しをするのですが、これを増刷と言います。
そして、この増刷を二回繰り返すことができたら、その本を“売れた”と言うことです。 

売れた、売れないの判断に部数という話しもありますが、実は部数はあまり関係ありません。

出版物の場合、初版分で採算を合わせます。
たとえ初版部数が2000部だったとしたら、2000部売れたら採算はあうような原価計算をしておりますし、価格設定もしているはずです。
つまり、増刷した時点から不労所得的に儲かるような仕組みになっているんですね。
逆に村上春樹の本のように、初版部数が10万部を超えるような本の場合、その分、広告やプロモーション費にお金をかけているので、結果的には初版分で採算を合わせていることになります。 

本の場合、書店在庫というものがあります。
書店在庫というのは、書店に置かれているだけで、売れたわけではない状態のことです。
売れたわけではないということは、返本されることもありますので、この書店在庫というのは出版社にとってのリスクとなります。
書店からの注文が多く、出版社の在庫が無くなったとしても、それは売れているわけではなく、書店在庫になっている場合の方が多かったりしますからね。
ただ、出版社としては、自社の在庫が無いのにも関わらず、注文がある場合、売れているわけではなくても増刷せざるを得ません。
しかし、同時に返本もあるわけですから、2回目の増刷というのは本当に売れていなければ、行われることは無いんです。
 だからこそ、2回目の増刷には価値があるということなんです。

逆に売れていない場合というのは、1年後の時点で実売が初版部数の2/3未満だった場合になります。

そして、引き分けというのは、1年後の時点で実売が初版部数の2/3以上で、増刷が2回未満の場合です。

出版を目指す場合は、出版することにばかり注力するのではなく、出版後の販売戦略まで視野に入れて準備を進めるようにしましょう。
ソーシャルメディアを見ていても、著者ブランディングをしているわりに、いつまでも二冊目が発刊されないまま数年経っている方もいらっしゃいますが、決して格好のいいものではありませんからね。